狙い澄ます米エリオット／住友不動産を襲う「最恐アクティビスト」
超高層ビルを建てまくり売らず抱え込むのが住不流。今や賃貸不動産の時価は7兆円を上回る。
2025年5月号 BUSINESS
最強の矛と最強の盾――。両者が対峙することは、本来道理が合わない。だが、もし盾にヒビが入っていたら何が起きるだろうか。3月、そう思わずにはいられない出来事が起きた。米国のアクティビストであるエリオットによる、住友不動産株の取得である。最恐投資家と恐れられたエリオットと、ある意味で鉄壁の陣を敷く住不とのガチンコ勝負。ゴングが鳴ったばかりだが、今のところはエリオットに分がありそうだ。
「買収防衛策」に綻び
エリオットは1977年に設立された古株のヘッジファンドだ。90年代にはコンゴ共和国やペルー政府の債務を買い集めると、返済を求めて政府を提訴。勝訴判決をもぎ取ると、支払いを求めて国有資産を差し押さえにかかった逸話は今でも語り草だ。そんな剛腕ぶりは、日本でもいかんなく発揮されている。例えば2018年。電機メーカーのアルプスとアルパインは経営統合を控えていた。エリオットは両者の ………
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