経済断影/「洋上風力」に猛烈な逆風「バラ色の未来」は崩壊

三菱商事の減損計上を見た地元自治体の首長が、同社や政府に対し、事業継続を要請する動きも。

2025年4月号 BUSINESS [経済断影]

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次世代の再生可能エネルギーとして期待が高まる洋上風力発電に対し、猛烈な逆風が吹き付けている。洋上風力で2年半前に政府が実施した最初の公募入札3件をすべて落札した三菱商事が、今年度決算でコスト増を理由に522億円にのぼる損失を計上したからだ。世界的なインフレや円安の進行で洋上風力の資材価格が高騰し、落札当時の見積もり額より建設コストが大幅に膨らんだ。洋上風力は風車を始めとした発電設備の部品が数万点にのぼり、多額の建設費用がかかる。それだけに経済波及効果が大きく、地元では地域振興の起爆剤として期待している。だが、洋上風力を巡っては世界的に急激なコスト高に襲われ、欧米でも新たな建設計画が相次ぎ停止や凍結されている。このままでは追加損失が見込まれる三菱商事の中西勝也社長も「計画をゼロベースで見直す」として事業からの撤退を否定しない。洋上風力の普及を ………

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