集中連載「トランプ」解剖/ワシントンは「ヘドロ」の沼地/共和党の「敵対的買収」に成功

共和党支持層の破壊願望がトランプ氏を通じて刃と化し、国内外でカオスを生み出す。

2025年4月号 BUSINESS [怨念と怒り]

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3月4日、米議会で施政方針演説に臨んだトランプ米大統領。共和党議員たちの熱気のあふれる議場内を見渡したとき、感慨もひとしおだったに違いない。トランプ氏が1期目最後に行った2020年の一般教書演説当時、下院は民主党が過半数を握り、トランプ氏は演説の最後に民主党のナンシー・ペロシ下院議長(当時)に演説原稿を破り捨てられるという屈辱を味わった。しかし、今回は違う。トランプ氏率いる共和党は昨秋の選挙で、米議会の上院、下院、大統領職の三つを掌握する「トライフェクタ(Trifecta)」を実現していたからだ。トランプ氏が演説の冒頭、「アメリカは戻ってきた!」と力強く宣言すると、共和党議員らは拳を突き上げて総立ちとなり、「USA」コールが一斉にわき起こった。その後、トランプ氏がいかに大統領選で自身が圧勝したかを誇らしげに語っている最中、民主党議員の一人が立ち上がって抗 ………

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