連載/病める世相の心療内科/「多様性」認めない日本の小学校/遠山高史・精神科医

2025年4月号 LIFE [病める世相の心療内科]

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不登校の子供が激増している。この原因を簡単に論じることはできないが、多様性を認める教育をしていると言いながら実態は均一さを強いている構造がありそうである。ある母親が、最近学校に行きたがらないと子供を連れてくる。その子はアトピー性皮膚炎で、手に湿疹が強く出るため、給食時の手洗いで石鹸を使わず洗っていた。教員から指導をされたとき、医者から石鹸をつけるなと言われていると抵抗した。それで親が呼び出されたという。皮膚科の医者からは、石鹸はつけずに、流水でしっかり洗えばよいと言われていたが、保健の教員は、感染症対策もあり、しっかり指の間も石鹸で洗うよう指導していると言って譲らなかった。要するに、マニュアルがそうなっていて、その子だけ特別ルールを設けての対応はできないというのであった。確かにノロウイルスでも蔓延したら、たちまちその子が疑われ、それを許 ………

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