住民8割が米国基準超だった岡山の血液検査の衝撃。化学業界がツケを払う日は近い。
2025年4月号 BUSINESS
岡山県吉備中央町は中国山地に囲まれている。環境汚染とはおよそ縁がなさそうなこの町で、1月28日に発表した町民血液検査の結果に衝撃が広がっている。
同町が昨年11月から12月にかけて全国に先駆けて実施した住民の血液検査(709人が対象)で、発がん性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)の血液1ミリリットルあたりの濃度が平均151.5ナノグラム(ナノは10億分の1)となり、米国で基準として定められている血液中の濃度(20ナノグラム)の7倍を超えたのだ。米国基準を超える住民は実に8割超に及んだ。吉備中央町では2023年、町内の浄水場の1つから国の暫定目標値の28倍にあたる1リットルあたり1400ナノグラムのPFASが検出されていたことが発覚し、住民の間で健康への影響を懸念する声が上がっていた。町は浄水場の水源の上流に置かれた使用済み活性炭が吸着していたPFASが流れ出たことが原因と ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。