老醜の極み/日枝久「俺は悪くない!」/by カシアス扇谷

自ら身を引く考えは毛頭ない。自身がグループを汚染していることを全くわかっていない。

2025年3月号 BUSINESS [老残の帝王]

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フジテレビの帝王、日枝久フジサンケイグループ代表(87)の胸の内には、いま、さまざまなことが去来している。つい二、三か月前までは彼の権力は盤石のはずであった。この世をば我が世とぞ思い、そしてお台場の本社屋の「球体」のスタジオを眺めては、望月の欠けたることもなしと思っていた。それが、である。日枝はいま神話に復讐されている。

「植田さんは、どうお考えですか」

産経新聞社長の植田新也は1992年、鹿内宏明会長の振る舞いに辟易としていた。「販売の使い込みがあってね、それを宏明さんにこっぴどく叱られた。そのあと新聞勧誘員が殺人事件を起こしちゃって、もともと読売の勧誘員だった男がウチに来て1カ月で殺人事件を起こしてしまったんだけど。そうしたら、またまた宏明さんに叱られてね。こっちはもうグーの音も出なかったな」植田は、使い込みというが、むしろ横領であった。殺人事件を起こせば、それは叱られて ………

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