「歌人・美智子」帰り得ぬ故郷/何もて復興と云ふやを知らず/三山秀昭・広島テレビ顧問

2025年3月号 LIFE

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上皇后・美智子さまが「歌集 ゆふすげ」を上梓された。その中に世相の安易さに警鐘を鳴らすメッセージ性の強い一首がある。東日本大震災を題材にした短歌で、まだ、故郷に帰れない人がいるのに「何をもって『復興』と言うのか」と問題提起されている。「ゆふすげ」は昨年末に岩波書店から刊行された新刊(本体・千八百円)。昭和時代の百九十二首、平成の時の二百七十四首が収録されている。すべて未発表のものばかりだ。巻末に歌人・永田和宏氏の「解説」がある。氏は「美智子さまの御歌が未発表のまま誰の目にも触れずに残っているのは何としても残念。歌集としてまとめ、多くの方に読んでいただき、後の世代に残しておきたい」と刊行に関わった。永田氏は「今回の歌集がこれまでの歌集と大きく異なるのは著者名に『美智子』と明記されていること」と指摘する。これまでの美智子さまの歌集は、当時の ………

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