政府方針に農水省は反発。JAの流通支配を側面支援。消費者不在の「コメ農政」。
2025年3月号 BUSINESS
店頭からコメが消えた「令和の米騒動」から半年を経て、政府がようやく重い腰を上げた。高値で推移するコメ価格を抑えるため、不作時などの緊急用に保管しておく備蓄米の市場放出を決めた。米騒動の最中でも政府は「コメの在庫は十分にある」と強弁し、備蓄米の放出を頑なに拒否してきた。それでも予想外に下がらないコメ価格に与党や国民の不満が高まっており、政府も対策を講じざるを得なくなった。備蓄米の放出決定が遅れた背景には、農水省のコメ価格の維持政策が大きく影響している。同省はコメ価格の維持を目的として長年、農家に減反政策を強いてきた。そうした消費者不在の硬直的なコメ農政が、今回の深刻な品不足を招いたのは明らかだ。それでも農水省内には備蓄米の放出に反対する声が根強く、抵抗も予想される。実際に放出されるまでは予断を許さない情勢だ。
「コメの需給は逼迫していな ………
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