想定外の高値売却と引き換えに、西武の象徴は切り売りの運命。
2025年3月号 BUSINESS
東京・紀尾井町。東の皇居、西の赤坂御所に挟まれた東京のど真ん中にそれは聳え立つ。オフィスやホテル、商業施設、住宅などを抱き、3万平米もの敷地面積を誇る巨大複合施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」だ。旧赤坂プリンスホテル、と呼んだ方が読者によってはピンと来るかもしれない。雁行型の外観が特徴的な40階建ての新館がシンボルだったが、老朽化のため2011年に閉館。建て替えを経て、16年に開業したのが東京ガーデンテラス紀尾井町だ。所有者の西武ホールディングスにとっては、品川・高輪エリアのプリンスホテルと並ぶ「家宝」のはず。だが、24年初頭からファンド界隈で噂が走った。「西武が紀尾井町を売るらしい」
鉄道会社は沿線開発に注力した経緯から、土地・建物を潤沢に持つ。とりわけ西武は創業者である堤康次郎が不動産に執着したこともあり、路線が走っていない地域にも大量の物件 ………
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