「厚顔」EU委員長/フォンデアライエンが競争政策転換

欧州委員長が政策見直しを表明したが、「どの口が言っているんだ!」と悪評が止まらない。

2025年3月号 BUSINESS

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バビルサという動物がいる。インドネシアに生息するイノシシ科で、オスは内側に大きく湾曲した牙を持つ。生涯にわたって牙は成長し続け、最終的に頭蓋骨に突き刺さり死に至る個体もあると言われている。今の欧州連合(EU)を見ていると、そんな「バビルサの牙」の悲劇が思い起こされてならない。

涼しい顔で方針転換

1月29日、EUの執行機関である欧州委員会は27ページにわたるレポートを公表した。「EUの競争力羅針盤(コンパス)」というタイトルで、成長力強化のため今後数年でEUが取り組むべき戦略が縷々書かれている。「過去20年以上にわたり欧州のビジネスモデルは安い中国の労働力とロシアのエネルギー、安全保障の外部委託に依存してきた。でもその時代は終わった。競争力を取り戻すには我々の弱点を修正しなければならない」フォンデアライエン欧州委員長は同日の記者会見で、コンパス・レポートの狙いをこう説明 ………

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