「トランプ」解剖/米中関税戦争で「新冷戦」加速/by 園田耕司

「アメリカ・ファースト」は、米中間で経済的報復の連鎖を生みだし、世界各国を新しいタイプの「冷戦」に巻き込んでゆく。

2025年3月号 BUSINESS [経済デカップリング]

  • はてなブックマークに追加

2月7日の日米首脳会談のやりとりで最も目立ったのが、石破茂首相のトランプ米大統領に対する異例の持ち上げぶりだろう。トランプ氏が大統領選期間中に銃撃された直後に撮影された同氏の拳を突き上げる写真を「歴史に残る一枚」と評し、さらに「大統領がMake America Great Again(アメリカを再び偉大に)とおっしゃるのは、忘れられた人々に対する深い思いやりに基づくもの」と続けた。ホワイトハウスの現場で取材していた同僚記者によると、そのとき、首相の表情は一貫して硬く、普段よりもゆっくりとしゃべっていたという。「お世辞」をあまり得意としない首相だが、トランプ氏からの対日圧力回避のために、日本の国益をかけて必死の思いで発した言葉だったのだろう。

中国こそが叩くべき「蛇の頭だ」

しかし、石破氏の「MAGA(マガ)」称賛の言動は、ワシントンの政策エリートたちにとってみれば、トランプ氏に対する媚びへつらい ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。