新連載/商略「探照灯」/明治ファルマ「原口」提訴は恫喝か/安西 巧・ジャーナリスト

SNS動画で「生物兵器まがい」などと発言した原口一博衆院議員を名誉毀損で1千万円の損害賠償提訴。

2025年2月号 BUSINESS [商略「探照灯」]

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「スラップ訴訟(SLAPP)」という言葉は多くの読者がご存知だろう。1984年に米デンバー大学教授のジョージ・プリングらが作った造語で「Strategic Lawsuit Against Public Participation」の頭文字を取ったもの。「平手打ち」を意味する「slap」に引っ掛けてあり、「市民の関与を排除するための訴訟戦術」と意訳される。資金面で余裕のある企業や団体が個人に金銭的、精神的負担などの苦痛を与え、告発をやめさせる目的で提起する訴訟をいう。その悪質さから日本国内では「恫喝訴訟」という訳語が使われることもある。米国では合衆国憲法修正第1条で保障される「表現の自由」や「請願権」の侵害行為として、1989年のワシントン州を皮切りに州単位の「反スラップ法」が制定されるようになった。個人の口を封じる「恫喝」と判断した訴訟について裁判官が迅速に却下できる法律で、現在までにカリフォルニア ………

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