金融機関の広報幹部らは今、読売新聞に戦々恐々としている。といっても、自社の不祥事やスクープを握られているといった話ではない。今春に創刊する同社の新メディア「DOW JONES 読売新聞 Pro」のえげつない売り込みにあっているからだ。世界最大の発行部数を誇る読売新聞は紙にこだわり、デジタル戦略での遅れが目立った。だが、ここに来てグループトップの山口寿一氏のリードで一気に勝負に出た。広報業界を仰天させたのは、新媒体が法人向けウェブメディアであることだった。ライバル・朝日新聞のデジタル版は個人会員向けが中心だが、無料のネットニュースがあふれる時代にわざわざお金を払って購読する人は少ない。案の定、20万人前後で迷走を続けている。山口氏は週刊文春のインタビューで「日経さんのようなオンリーワンの側面・特徴があれば、ある程度の成功が見込めるけれども、そうでない場合 ………