号外寄稿/追悼「ナベツネ先生 思い出の記」/「俺の教え子で『良』をつけたやつ」/ 芹川洋一・コラムニスト (東大新聞研修了)

号外速報(12月21日 14:00)

2025年1月号 POLITICS [号外速報]

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ナベツネこと読売新聞主筆の渡辺恒雄さんが不帰の客となった。 言論界に政界に多大な影響力を及ぼし、毀誉褒貶(きよほうへん)相半ばする稀有(けう)な存在だった。おそらく今後、二度と登場することのない不世出の人物だろう。

「僕の講義はノートなど、とる必要はない」

昭和49年(1974年)だから今からちょうど50年前。そのナベツネさんが東京大学新聞研究所で夏学期の教壇に立ったことがあった。たまたまその講義を聞く機会に恵まれた。 ナベツネ先生は昭和25年(1950年)入学の新聞研第1期生で、当時、政治部長になる前の解説部長だった。 「新聞論」の講義は週1回木曜日の午後の2限目だった。通常の講義時間は午後3時から4時50分までだ。 初回の講義で、ナベツネ先生は開口一番、次のように語った。 「大学の講義はしばしば10分、15分遅れる。僕は5分前には教室に来て3時ピタリに始める。そのかわり4時10分には終わる。4時半から会社 ………

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