現代はパラダイムシフトの時代である。ゲノム編集技術は人間が生物の最小単位である細胞を人工的に作り出すことを可能にした。どんな難問もたちどころに解いてしまう量子コンピュータや絶対に破られない量子暗号通信の実用化も目前に迫っている。さらには脳にチップを埋め込んで身体機能や記憶・睡眠をコントロールする「ブレイン・マシン・インターフェイス」、人間を運転から解放する自律運転自動車、人の機能を代替する協調型ロボット、日常的な宇宙への往還を可能とする輸送手段など、前世紀まで不可能と考えられていた技術が次々とブレークスルーを果たそうとしている。中でも人工知能（AI）は市民社会に最も大きなインパクトを与える技術として注目される。