日本を「世界は待ってはくれない」/中国のしたたかな「エネルギー戦略」/特別寄稿・平田竹男

2025年1月号 BUSINESS [大きな節目]

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2024年は岸田政権下において2兆円のGX予算による様々な動きや女川原子力発電所や島根原子力発電所が再稼働するなど日本のエネルギー政策が大きく動き出した年となりました。筆者は2013年から21年まで安倍晋三総理、菅義偉総理の内閣官房参与(資源戦略)として東日本大震災以降の日本の苦しい環境下でのエネルギー政策の足取りを見てきましたが、この10年余の道のりが長いトンネルを抜けた感があります。

確立された化石燃料の安定供給

しかし、日本は「世界は待ってはくれない」という現実を認識しなければなりません。エネルギー政策は、プレーヤーの多くが独裁国家や迅速な意思決定が可能な体制であり、民主主義国家である日本とはその意思決定スピードに大きな差があります。その中でも、特に注目すべきは中国のエネルギー政策の進展です。中国の一次エネルギー消費量は2009年にアメリカを逆転し、その後も増加を続けています。 ………

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