「ユニゾ」破綻で露呈/信金・信組・農漁協の責任ほっかむり

東北の寒村から離島まで。「旧興銀」の後光に目が眩んだ地方金融機関の責任ほっかむり。

2024年12月号 BUSINESS

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「ユニゾ」と聞くと、もはや懐かしさすら覚える読者もいるだろう。旧日本興業銀行の関連会社で、ビル賃貸やホテル運営を行っていたユニゾホールディングスである。経営の混乱に付け込んだファンドに食い物にされ、2023年に倒産。民事再生法の適用を経て、部門ごとにファンドに切り売りされていった。無惨な末路ではある。破綻処理の終焉をもって、世間的には一件落着とみなされていることだろう。だが、まだ済んでいない「総括」がある。経営の内情を知らぬまま、ただ旧興銀系列という血統を信じてユニゾに貸し込んだり、社債を購入したりした金融機関の無責任さだ。手元に一通の資料がある。A4用紙3枚組で、日付は今年4月。差出人はユニゾの山口雄平社長と代理人弁護士だ。いわく、スポンサーとなった投資ファンドから買収資金を得る目処が立ったため、債権者への弁済が可能になったという。弁済といっ ………

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