東京・歌舞伎町の広場で酒盛り。パキっている「トー横キッズ」。カロナール、メジコンなど市販薬が「ゲートウェイドラッグ」になっている。
2024年12月号 DEEP [わいせつと搾取]
広場の片隅に敷かれた段ボールの上に、20歳代後半のユキ(仮名)が倒れ込んだのは夜10時を回った頃だった。彼女の手のひらから白い錠剤がポロリとこぼれ落ちる。一緒に酒を飲んでいた少年や男たちが「大丈夫?」と声をかけると、彼女は「死ね、死ね、死ね」と毒づいた。東京・歌舞伎町にあるTOHOシネマズ新宿の隣にある広場、通称「トー横」で17歳の少年から20歳、30歳代の男女、50歳過ぎの女性が座りこんで酒盛りをしていた。段ボールには缶ビール、おにぎり、サンドイッチ、そして薬のシートが転がる。カロナール、メジコンといった市販薬のほか、処方薬である睡眠薬や向精神薬を入れた袋も散らかっていた。段ボールに寝転がったユキは、2時間ほど前から数種類の錠剤を日本酒で胃に流し込んでいた。叫んだかと思うと、意識を失ったように黙り込む。一度吐いたせいで彼女が着るパーカーは吐しゃ物で汚 ………
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