2024年12月号 BUSINESS [荒ぶる「タクシー王子」]
石破茂が接戦を制することになる自民党総裁選が、まさに火ぶたを切って落とされようとしたときだった。告示日前日の9月11日、東京・永田町の衆議院第二議員会館の会議室は、異様な熱気に包まれていた。自民党の友党である公明党の「ハイヤー・タクシー振興議員懇話会」がこの日、全国各地のタクシー業界幹部らを招いてライドシェア反対の気勢を上げたのである。いわば公明党運輸族の集い。タクシー業界の地域ボスや国土交通省物流・自動車局の官僚らが並み居る中、元国交相である公明党の赤羽一嘉が「公明党との連立政権を組むという前提である限り、我々が受け入れられないような政策はありえない」と切り出した。公明党の実力派の一言に、場内は水を打ったような静けさに包まれた。20年余になる自公連立政権の蜜月のなかで、公明党はなぜか国交相ポストを占有し続けている。小泉政権時代の2004年に弁 ………
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