「壊れた信号機」独政権に翻弄されるフォルクスワーゲン

初の国内工場閉鎖に従業員は大騒ぎ。EV失速は連立政権のさや当てが大きな要因だ。

2024年11月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

ドイツの連立政権は歴代、政党のイメージカラーの組み合わせであだ名が付けられてきた。2021年12月に誕生したオラフ・ショルツ政権は自身の出身母体であるSPD(社会民主党)の赤、環境政党・緑の党の緑、リベラル系・FDP(自由民主党)の黄で、Die Ampelkoalition(独語で信号機連立政権の意)と呼ばれる。ドイツでは今、正確な指針を示すべき「信号機」に狂いが生じ、ちぐはぐな表示によって産業という名の交通網に破滅的な混乱をきたしている。一体何が起きているのか。

最大タブーの独工場閉鎖

「我々は戦う準備ができている!」「まずは経営陣が責任をとれ!」。フォルクスワーゲン(VW)の主力工場がある独北部の街ハノーファーに9月25日、各地の労働組合関係者約4千人が集結した。赤と黒の横断幕が張られ、太鼓や笛、スピーカーから音楽がけたたましく鳴る中、彼らが訴えたのは、リストラ計画の撤回だった。VWは8月下旬 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。