地球環境に優しくない!/「木質バイオマス」発電

石炭火力発電を延命させるはずが火災多発で逆に運転を止めるという皮肉な事態に。

2024年10月号 DEEP

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地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量が全ての発電方法の中で最悪だと、2021年に英グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で槍玉に上がった石炭火力発電所。世界中の環境保護団体からは「座礁資産」と呼ばれ即時運転停止を求められている。とは言え、電力会社側からすれば、生み出せる利益の多寡は減価償却を終えてどれだけの年数に渡って動かせるかにかかるので、なんとしても延命させたいところ。そこで電力各社が採用した一つの方法が、石炭とバイオマス燃料である木質チップの混焼だった。電力会社の理屈はこうだ。「木質バイオマスは排出した分の二酸化炭素を新たに植えた樹木が全量吸収するのでカーボンニュートラル。石炭に混ぜて燃焼すれば、混ぜた分だけ温室効果ガスの発生量を減らせる」しかし、石炭と木質チップの混焼発電所は今、相次いで木質チップの ………

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