宅配業界混乱「ヤマト運輸」の逆張り値下げ

2024年問題に直面する中、まさかのダンピング攻撃に同業者からは恨み節。しかし業界の盟主も尻に火が付いている。

2024年10月号 BUSINESS

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「2024年問題」に揺れる物流業界で、宅配便トップのヤマト運輸の攻勢が物議を醸している。ドライバー確保に向けて業界全体で値上げを推し進めるなか、大幅な割引を提示して法人顧客の開拓にギアを入れているからだ。

2017年の手口と酷似

中堅物流企業の首脳がこうぼやく。「うちは、ある通販大手の配送を佐川急便と分け合っていたけれど、荷主企業が5月から委託先をヤマト1社に切り替えた。ヤマトが収益性お構いなしの大胆な割引をしたからだ。おかげで月商が2億円減った。うちのクラスで年間の売り上げが25億円減少するというのはかなり大きな痛手だよ。業界の盟主が業界の秩序を壊している」こうした怨嗟の声は、毎月の宅配便の取り扱い実績で裏付けられる。これによるとヤマトのダンピング商法の影響が最も大きかったのは6月だ。佐川急便の親会社であるSGホールディングス(HD)の取り扱いは前年同月比約8%減まで落ち ………

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