自民党総裁選「ねばる岸田」と「はやる石破」の神経戦

石破氏は周辺につぶやいた。「出ないという選択肢はない。岸田氏が出るか出ないかで大違いだ」

2024年9月号 POLITICS

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並の政治家ならとっくに白旗を掲げているであろう。岸田文雄内閣の支持率は時に20%を割り込むほどの低迷が続き、9月に自民党総裁選を控え、続投に反対する世論は7割を超えるケースもある。このため足元の自民党内でも岸田氏の総裁再選には否定的な見方が優勢だった。しかし岸田首相は出馬への意欲を持ち続けている。政権の求心力低下を心配する親しい議員から「総裁選出馬はやめるか」と問われた首相はこう言い切ったという。「それは考えていない。お盆中はアジアの安定、賃上げ、物価高に関して国民に分かりやすい政策を練る」振り返って6月23日の通常国会閉幕後。非主流派の代表格である菅義偉前首相が「自身が派閥の問題を抱えているのに責任を取っていない」と首相を厳しく批判。まさに「岸田降ろし」の号砲が鳴ったように思われた。

「出馬」か、「撤退」か

6月30日にはこんな場面もあった。東京都内で営まれた故安倍 ………

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