韓国のソウル中央地検は7月20日、尹錫悦大統領の金建希夫人を株価操作容疑などで事情聴取した。疑惑発覚から4年を経て実現した直接捜査で、検察が検事総長出身の尹に反旗を翻したかのように見える。だが、内情はそう単純ではなく、与党内の権力闘争も絡んだせめぎあいの表れだ。「VIP№1」の尹大統領を凌駕する「VIP№0」と揶揄される金建希は、相変わらず政権を揺るがす「地雷」だ。金建希にかかる嫌疑は二つ。一つはBMWの代理店ドイツモータースの旧経営陣が空売りなどで自社の株価を引き上げた事件に絡む疑惑だ。同社元会長が受けた有罪判決の中で金建希の口座が株価操作に使われたことが認定されている。もう一つは政権発足後の22年9月に牧師からディオールのバッグをプレゼントされた問題。これは牧師が左派系メディアと仕組んだ工作だったが、金建希がバッグを受け取った行為が請託禁止法に抵触する ………