年金局長が異例の陳謝/厚労省が「年金制度改革」で腰砕け

自民党に忖度し、国民年金の納付延長案を独断で撤回。厚労相諮問機関の有識者は「許されない」と猛反発。

2024年9月号 POLITICS

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年金制度の改革をめぐり、厚生労働省の「腰砕け」に批判が集まっている。同省は高齢化の進行に対応し、年金財政の基盤強化のため、国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を現在の40年から45年に延長する案を検討してきた。社会保障審議会年金部会(厚労相の諮問機関)で具体的な制度設計を議論してきたが、同省は一転して延長案を独断で撤回してしまった。今年は5年に1度、年金財政を点検する財政検証の年にあたる。その結果によると、5年前の前回試算よりも年金財政が大幅に改善したため、「納付期間を延ばさなくても年金財政は維持できる」(同省幹部)と判断したというが、この説明を鵜呑みにはできない。もともと自民党は次期衆院選を睨み、国民に新たな負担増を求める納付期間の5年延長案には反対だった。このため、同省は自民党に忖度し、年金財政の改善を理由に納付延長案を早々に引っ込めたのが ………

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