奥和理事長は経営者失格/農林中金を「金融庁単独所管」にせよ

金融庁は毅然として金融行政の筋を通すべきであり、政治家や農水省の口出しを許すな。

2024年9月号 BUSINESS

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農林中央金庫の今年度末の赤字見通しは、当初5千億円と発表されたが、その後1兆5千億円となり、今は2兆円にまで膨れ上がっている。悪い情報を隠蔽し、その後も小出しにしていることだけをとっても、農林中金の奥和登理事長(65)は経営者失格である。大企業でも1兆円を超える赤字計上は滅多にない。農業総産出額が9兆円、生産農業所得が3兆円という農業の世界で、これほど膨大な赤字を出しても居座れるのは、農協組織が完全に腐っているからだ。しかも、かつては、農林中金に副理事長や専務のポストが置かれていたが、奥理事長はこうしたポストを廃止し、習近平ばりの「後継者潰し」による独裁体制を築いてきたのである。

何事も政治力に頼る悪弊

問題は理事長だけではない。巨額の損失を出したことを認識しながら、任期の切れる理事長の再任を決定した経営管理委員会も同罪であり、全員辞任すべきである。 農林中金は農林中 ………

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