謝ったらアリ地獄!/東京・渋谷「スマホ当たり屋」のおぞましい手口

「ごめんなさい」と謝ったら最後、言葉巧みにしゃぶり尽くす。被害はなんと9万6千円。

2024年8月号 DEEP

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5月下旬のある日の午後6時20分ごろ。渋谷駅徒歩2分の有名複合商業施設ビルの入り口。ビルの脇に立つ黒色のゲートの大きな柱と隣のビルの壁との間に「奴」は立っていた。両手を腰の後ろに回し、尻のところで左右の指3本ずつでアップルのiPhoneの下端を持ち、まるで動物の尻尾のように後ろに突き出していた。後から考えるとかなり不自然なポーズだ。熟年の男性は、仕事帰りの人や遊びに来た若者で混雑する歩道を避けてこのビルの入り口に向かおうと、ゲートの柱と隣のビルの間を通り抜けた。間隔は3メートル近くある。奴に触れるはずはないと思った。ところが通りぬける瞬間、奴は後ずさりして尻を突き出した。iPhoneは男性の左腕に触れ、路上に落ちた。男性は日本に生まれ育った者なら自然に使うあの言葉を発した。「あっ、ごめんなさい」奴はiPhoneを拾い上げると男性の様子を5秒ほど窺っていた。両耳に ………

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