夥しく増える不登校の子供のため、学校以外の居場所作りが進められている。官民、市民が運営する支援施設、カフェなど、かつて普通にあったコミュニティの、もどきである。しかし、今どきの子供たちの成長を育むには、少々不十分であることは否めない。不登校になりやすい子供たちは、家とはかけ離れた学校との環境の落差に満たされず、引きこもりを選んでいるのかもしれない。いざとなったら家に逃げ込めば事足りる。昔の若者は、家にも居場所がなく、嫌でも出てゆかざるを得なかった。引きこもりの子たちも9割ぐらいは、いずれ社会に出てゆくが、青年期に入ったころ、過去のひきこもりの有無とは関係なく、引きこもる若者が出現する。その数100万人を超えるといわれている。彼らは、社会生活で遭遇するリアルな体験に耐えられず、ネットの情報だけで生活することが多い。次第に他者との共感性が損なわ ………