「シャープ失墜」の元凶 5代目社長「片山幹雄」

目下66歳。最近は日本の製造業を分析しているが、その中身はどこかで聞いたような話ばかりで陳腐だ。

2024年7月号 BUSINESS

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シャープがテレビ向け液晶パネル生産からの撤退を発表した。「液晶のシャープ」を標榜し、薄型ディスプレーの市場を創出して牽引してきたシャープが、なぜ失墜したのか。元凶は早くから「シャープのプリンス」と呼ばれ、2007年に49歳で5代目社長に就いた片山幹雄氏だ。液晶ビジネスの成功に酔い痴れ、日本の大手電機メーカーでは資本力が最貧弱だったにも関わらず、約4千億円の分不相応な過剰投資で大阪府堺市に巨大な液晶工場「堺ディスプレイプロダクト(SDP)」を建設したのが命取りになった。さらに「液晶の次も液晶」と唱えてイノベーションを怠り、シャープらしい新規技術・製品の開発を妨げた。

「初の東大卒」に目がくらむ

片山氏は1981年、東大工学部を卒業後、太陽電池の技術者としてシャープに入った。80年代半ばで液晶に転身、携帯電話やテレビ用パネルの開発の一線に立ち続けた。40歳で赤字だったパソコン用液晶パネ ………

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