20年がかりで堤家の亡霊は消滅したが、西武の経営は火の車。新帝王・後藤は課題山積。
2024年7月号 BUSINESS
西武ホールディングス(HD)が「堤家の亡霊」といわれた筆頭株主を無力化した。不祥事続発で創業一族が西武グループを追われたのは2004年。直後に「再建請負人」としてメーンバンクから送り込まれた西武HD現会長の後藤高志(75)は経営トップに居座ること約20年。ついに名実共に「後藤王国」へ看板を塗り替えた。
「無力化」されたのはNWコーポレーション(東京・渋谷)。西武HDの議決権数の15.83%を握る筆頭株主だったが、5月9日、その議決権が消滅したと西武HDが発表した。NW社は05年11月に創業家2代目の堤義明(90)や旧コクドなどグループ有力会社の元役員らを主要株主として発足。西武創業者で義明の父である康次郎(1964年死去)は生前、自分の死後の遺産相続対策としてグループ中核会社のコクドの持ち株比率を名目上4割弱に抑えるための偽装工作を行っていた。「少なくともコクド株の96%を創 ………
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