営業利益5兆円超の死角/トヨタの泣き所「経営人材」

「死角があるとすれば経営人材の不足。章男さんの顔色ばかり気にして腹を割った話ができる役員がいない」

2024年6月号 BUSINESS [「大ナタ」の後遺症]

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トヨタ自動車が5月8日に発表した2024年3月期決算は、本業の儲けを示す連結営業利益が前期比96・4%増の5兆3529億円となり、日本企業で初の5兆円を超えた。前期より2兆6279億円も増えた主な要因は、為替差益で6850億円、営業努力で2兆円。この2兆円のうち9200億円が北米や欧州での値上げ効果と見られる。

「中長期の成長を描くための踊り場」

コロナ禍が終わり、生産が回復したことでトヨタの23年度の世界生産は9%増の997万台となり過去最高を更新。中でも国内生産が19%増の331万台となり、このうち202万台を輸出に回した。日本で部品を調達、生産した車を海外で売ることでドルによる売上高が増え円安効果が大きく出た。ちなみに対ドルで1円円安になるとトヨタの営業利益は500億円増える。世界的なインフレ基調の影響を受け人件費や資材コストが増加したが、米国や欧州で販売価格を引き上げ、さらに利益を膨らませた。連結販売台数は7% ………

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