特別リポート/医師の働き方改革/こつ然と消えた「過労死恐れの医師」2万人/名ばかりの「宿日直」や「自己研鑚」も/ジャーナリスト・杉谷剛

号外速報(04月16日 20:20)

2024年5月号 DEEP

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三浦半島の横須賀市部。JR横須賀線衣笠駅で降りると、「三浦一族ゆかりの地・衣笠」と書かれた商店街の横断幕が目に飛び込んできた。源頼朝旗揚げの功労者、三浦義明の衣笠合戦で知られ、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の舞台にもなった地だ。駅から歩いて5分のところにある約200床の衣笠病院。4月に始まった医師の働き方改革について聞こうと、医療政策に詳しい同病院理事の医師、武藤正樹を訪ねた。

5年の猶予期間を経てスタート

「厚労省の働き方改革はすでに大成功だね。年間の特例的な時間外労働の上限1860時間を超える医者が2016年には、2万人もいたのに、今はほとんどいなくなった。『医師の働き方は劇的に改善した。素晴らしい』と、そう言ってあげればいいんじゃないか」一瞬真意が読めずに戸惑ったが、冗談が好きな武藤らしい皮肉たっぷりの説明だった。労働者や市民による長年の過労死防止運動を受け、「過労死等 ………

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