「住友化学」が非常事態/十倉経団連会長の引責に発展も

過去最悪の2450億円の大赤字。創業以来の危機的状況に陥り「産業界の賃上げに水を差す」と針の筵。

2024年4月号 BUSINESS

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十倉雅和経団連会長(73)の出身企業の総合化学大手、住友化学が非常事態を迎えている。今年3月期連結決算は従来予想を大幅に下方修正し、2450億円と、過去最悪の赤字を計上する見通しで、業績悪化に歯止めがかからない。「創業以来の危機的な状況」と岩田圭一社長(66)は立て直しに躍起だが、抜本的な改革は打ち出せていない。

住友ファーマ株を売却か

石油化学(石化)事業は世界的なエチレン市況の悪化で化学各社とも業績低迷に直面しているものの、業界他社は回復に目途が立ちつつある。その中で住化は例外だ。サウジアラビアの石化事業と製薬子会社が足かせとなり、浮上のきっかけを掴めないままだ。業績悪化の責任を取って同社会長の十倉氏は役員報酬の一部返上を決めた。経済界では今、全力を挙げて賃上げに取り組んでいる最中だが、「賃上げ推進の旗を振るべき経団連会長会社がこんな業績不振では、産業界の賃上げ機 ………

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