連載「ウクライナ・ダイアリー」/「支援の輪」繋ぐ中国人青年/古川英治(キーウ在住)

2024年4月号 LIFE [ウクライナ・ダイアリー]

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ウクライナでボランティア活動を続ける中国人の青年、李静(仮名)と知り合った。彼は母国とウクライナの人々を結ぶ数少ない中国人の一人だ。2022年2月24日のロシアの侵攻前は、約6千人の中国人が首都キーウや北東部ハルキウを中心に住んでいた。現場で取材をする外国人記者の間では侵攻前夜、こんなこともささやかれていた。「中国大使館が自国民を退避させ始めたら、いよいよ危ない」ロシア大統領ウラジーミル・プーチンと中国国家主席の習近平は蜜月関係にあり、ロシアは軍事侵攻を事前に伝えるはず、という根拠だった。ところが、同年1月ごろから各国大使館が自国民に退避勧告を出すなか、中国大使館はミサイルが飛んでくるまで動かなかった。中国から10年ほど前に移住し、キーウで両親と中華レストランを営むある女性が当時の様子を教えてくれたことがある。自宅で爆発音に震えながら、政府の助け ………

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