習近平vs頼新総統/「台湾は皿に盛られた餅」

台湾を揺るがす「第4次海峡危機」が、新総統の任期中に勃発する事態を想定し、準備を急がなければならない。

2024年3月号 DEEP [「台湾有事」に備えよ]

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台湾総統選は、中国の統一攻勢を拒む与党、民主進歩党(民進党)が激戦を制し、民主化後初の三期目政権を手にした。5月に始まる頼清徳新政権は前途多難だが、日米ともに「第4次台湾海峡危機」への備えを急ぐべきだ。台湾海峡をとりまく安全保障情勢は、総統選1カ月後の今ですら危うさを増している。これまで「絵に描いた餅」だった中国による台湾統一が、中国の布石により「皿に盛られた餅」に変われば、東アジアの安全保障は中国の策動ひとつで暗転することになる。「大一統」という王朝伝統の大国妄想に取り憑かれた習近平の独裁下で、台湾を呑み込もうとする野望を抑える説得力ある言説は見出し難い。台湾自身が「併呑」を拒む意志を固め、日米が台湾海峡の現状変更を許さない意思と能力を整えない限り、地域安保の容易ならざる緊迫が避けられないレベルに迫っている。

容易ならざる「立法院過半数割れ」

まずは、最近の台湾情勢から ………

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