日本製鉄初の「院政」/橋本会長CEOは野心の塊!

グローバル粗鋼生産能力1億t! 橋本には、社内の「負け犬根性」を払拭し、栄光を取り戻す夢がある。

2024年3月号 BUSINESS

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日本製鉄では4月から初の「院政」が始まる。橋本英二(68)は5年勤めた社長職を副社長の今井正(60)に譲るが、会長兼CEO(最高経営責任者)として「引き続き経営責任を全うしていく」と社長交代会見で宣言した。今井は社長兼COO(最高執行責任者)、橋本の補佐役だ。陰で会社を牛耳る「実力会長」ではなく、陣頭指揮の縦続。目指すは「世界最大手」奪還である。日本製鉄やその前身(新日鉄住金、新日本製鉄)では社長が経営の全権を握り、会長は一歩退いて財界活動などに比重を移すのが慣例。このため、住友金属工業との合併時など一部の例外を除き、経営トップは社長だった。慣例を崩した橋本の狙いは何か?「世界最大の鉄鋼メーカー」の復活である。

「ぼろミル」でも儲かる!

橋本の新日鉄入社は1979年。新日鉄の絶頂期だった。世界一の粗鋼生産量を誇り、鉄鋼業界に君臨。売上高も給料も日本一だった。しかし、2001年には ………

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