2024年3月号 BUSINESS [経済断影]
デフレの脱却に向けて正念場となる春闘交渉が本格化している。連合は年率5%以上の高い賃上げを要求し、傘下の主要産別労組も強気の姿勢を打ち出している。輸出を手掛ける大手企業は円安を背景に収益力を着実に高めており、政府と経済界、労働界のトップが1月に開催した政労使会議でも、昨年を上回る水準の賃上げを目指す方針で一致した。大手企業は一定の賃上げで足並みを揃えたが、問題は中小企業である。日本経済を底上げするには、働く人の7割を占める中小・零細企業に賃上げを行き渡らせなければ、個人消費の活性化は期待できない。そうした中小企業の賃上げには取引慣行を見直し、大手企業が下請けに労務費などの価格転嫁を認める意識改革が欠かせない。経団連が1月にまとめた春闘の交渉方針は異例だった。財界関係者は「構造的な賃上げを社会的な責務と位置付け、連合が掲げた『5%以上を目安』と ………
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