特別寄稿/時節到来!さようなら「マイナス金利」/元日本銀行政策委員会審議委員・政井貴子

2024年3月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

足元の金融経済環境は、我が国のマイナス金利政策解除を許している。今世紀に入って3度目の名目金利が上方へ修正・変更され得る局面がやってきた。無論、マイナス金利は最早技術的な話に過ぎないといった意見も承知している。それでも象徴的な意味合いは強い。

リスクは概ね上下に均衡

2016年1月の金融政策決定会合で日本銀行が導入したマイナス金利政策は、この年の流行語大賞でトップテン入りしたほど、世の中に大きなインパクトを与えた。その政策も、この2月で8年目に入った。この間、その是非や効果についてさまざまな議論が行われた。途中、20年には新型コロナウイルスの世界的な蔓延が国内外の経済を混乱させ、各国中央銀行は、米国のFRBが再びゼロ金利政策を導入するなど、物価目標の達成どころか、まずは国民の生活を守ることが最優先となる状況に陥った。こうした事態もあり、世の中での議論も一旦封印された感があ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。