コスモの窮状救った岩谷産業の勝算

コスモも若干のメリットを得るが、創業者の夢に向けて一気に前進した岩谷産業の利幅は圧倒的に大きい。

2024年2月号 BUSINESS

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岩谷産業は昨年12月1日、コスモエネルギーホールディングス(コスモHD)の株式約1740万株を旧村上ファンド系の投資会社などから取得し、持ち株比率19.93%の筆頭株主に躍り出た。取得費用は1053億円で全額を三菱UFJ銀行から借り入れ、取得単価は1株あたり約6050円。同日のコスモHD株終値は5616円だった。かなり割高だが、岩谷サイドは意に介さない。創業者の岩谷直治氏が悲願とした液化水素ビジネスを全面展開するうえで、願ってもない超優良物件がコスモHDだった。

液化水素ビジネス完成の夢

世間は岩谷産業といえばすぐプロパンガスを連想する。家庭用プロパンガスを日本で初めて家庭用燃料として販売したのは1953年のことだ。だが、同社が水素の販売を初めて手掛けたのは戦前の41年で、プロパンよりも10年以上早い。58年には大阪水素工業(現岩谷瓦斯)を設立し、78年には兵庫県尼崎市で日本初の液化水素工場を稼働させた。 ………

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