「東洋建設TOB撤回」任天堂御曹司がドロ沼

株主総会以前にYFOと取締役候補との間で、買収方針に関するすり合わせが足りなかったゆえの大失態。

2024年2月号 BUSINESS

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2022年春から注目されてきた東洋建設買収を巡る動きは結局、任天堂創業家の御曹司が「予告TOB」を一転して撤回する形でいったん幕引きとなった。提示価格の1株1225円を一時上回って推移していた株式市場にとっては肩透かしだ。表面上、事態は買収に向け順調に進んでいた。中興の祖である故山内溥氏の孫(戸籍上は養子)にあたる万丈氏率いる「ヤマウチ.ナンバー10.ファミリーオフィス」(YFO)は昨年6月末、非上場化に反対する経営陣の排除に動き、その強行策が功を奏していたからだ。株主総会ではYFOが取締役候補に挙げた9人中7人が可決。対して会社側は11人中6人にとどまった。YFO側の可決候補のうち最も低い賛成率は50.59%。対して会社側の否決候補で最も高い賛成率は48.98%。稀に見る接戦だったが、取締役会の過半数を獲得した意味は極めて大きかった。このため総会直後の取締役会はいきなり紛糾 ………

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