深層レポート/ゴールドマンの「天皇」持田昌典の功罪

彼には大義も正義もない。あるのはゲーム感覚で刺激的なディールにかみ、上前をはね、大儲けすることなのだ。

2024年1月号 BUSINESS [経済秘話⑦]

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ゴールドマンサックス証券の持田昌典が2023年12月末をもって、やっと退任する。トップ在任は実に22年間に及ぶ。例によって「投資銀行業務を根付かせた先駆者」(日経新聞)などと、日本の経済メディアはベタ褒めだが、彼の軌跡はきちんと検証されなければならないだろう。

一勧在職中に実家「メリノ」が倒産

金融庁など金融規制当局を始め、日本の銀行や証券会社など金融関係者が過去、あまりにも幼く、しかも間抜けだったがゆえに、そのギャップを突いた彼ほど荒稼ぎをした男はいない。それだけ彼は、そしてゴールドマンは日本を舐め切っていたのであった。持田昌典は1954年、千代田区神田和泉町で羊毛卸業の「メリノ」を営む父武雄と母清子の間に生まれた。メリノは武雄が一代で築いた会社で、子供用ニット製品では当時、業界トップ。高度成長期に急成長し、渋谷区松濤の高級住宅地に自宅を構え、軽井沢に別荘を持つ裕福な家庭だった ………

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