EUで進む中国EV「密かな侵略」

中国とEUの首脳会談が終了。EVで強硬姿勢を示すEUに中国が激しく反応しないのは既にEUに入り込んでいるから。

2024年1月号 BUSINESS

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北京の釣魚台国賓館で12月7日、中国と欧州連合(EU)の4年ぶりとなる対面での首脳会談が開かれた。EUのミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長、ボレル外交安全保障上級代表が中国の習近平国家主席や李強首相と面会し、「国際ルールに基づく秩序を尊重した安定的かつ建設的な関係」が両者の共通利益だという点を確認した。EUは中国に対する態度を硬化させている。とりわけ問題視しているのがEU域内に流入する中国製の電気自動車(EV)だ。中国政府の補助金によって不当に廉価な中国製EVが域内で流通しているとして、欧州委が実態調査を始めたのは周知の事実だ。EUは調査結果を踏まえ、報復関税の導入に踏み切ることもチラつかせている。

会談を裏で仕切る万鋼氏

このため今回の首脳会談でEVをめぐる激しいつばぜり合いが予想されていたが、そうはならなかった。李首相がEU側に「制裁的な経済政策を導入する際には、慎 ………

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