次世代原発で赤っ恥「中部電力」

米国次世代原発プロジェクトはコスト高が原因で頓挫。その直前に出資する間抜けぶり。

2024年1月号 BUSINESS

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「そんなバカな……」。大手電力や霞が関官庁街に巣食う“原子力ムラ”に激震が走ったのは2023年晩秋。震源地は米北西部アイダホ州だった。

詐欺の疑いすら浮上

米エネルギー省アイダホ国立研究所の一角に開設予定だった次世代原子力発電所の小型モジュール炉(SMR)建設計画が突如中止に追い込まれた。開発を手がける米ニュースケール・パワー社が掲げた理由はインフレによるコスト膨張。「米国初のSMR発電所プロジェクト頓挫」のニュースで同社の株価は急落し破綻観測も飛び交った。1億ドル超を注ぎ込んだ国際協力銀行(JBIC)はじめ日本の出資企業も茫然自失の様相だ。原発といえば原子炉1基当たりの出力が100万kW超というのが一般的だが、SMRはその名の通り30万kW以下と小さい。小型であるが故に冷えやすく構造もシンプルなうえ、部・資材をモジュール(構成単位)ごとに工場生産するため建設コストも抑制できる。さらに ………

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