中国が求める交換条件はTPP加盟の交渉入り。「いずれは中国の圧力に抗しきれなくなる」(通商関係者)
2024年1月号 BUSINESS
中国による日本産水産物の禁輸を巡り、日本政府の弱腰姿勢が目立っている。岸田文雄首相は11月、米サンフランシスコで中国の習近平国家主席との首脳会談にこぎ着けたが、中国側はけんもほろろな対応に終始。事態は膠着しつつあり、問題解決の賭け金はじわじわと上がっている。中国は8月、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けて日本産水産物の輸入を全面停止。その後も再三に渡る日本政府の説明要求を無視し続けてきた。本来ならば、貿易上の措置に関する争いは世界貿易機関(WTO)の紛争処理手続きに訴えるのが常道だ。WTOの最終審に当たる上級委員会は機能不全に陥っているが、代わって導入された多国間暫定上訴仲裁アレンジメント(MPIA)には日中ともに参加しており、案件が宙に浮く恐れはない。それにも関わらず、日本政府が提訴を避けてきたのは、中国を刺激したくなかったからだ。2019年に ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。