財務省作成「減税方針」で墓穴を掘った岸田

自民党内の批判は衆院解散・総選挙を睨んだ主導権争いの様相。「ポスト岸田」に向けた思惑が渦巻いている。

2023年12月号 POLITICS [見透かされた「増税メガネ」]

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岸田文雄首相に対する民心の離反が止まらない。「増税メガネ」と首相を揶揄する言説がインターネット上を飛び交う中で、自らの増税イメージの払拭を狙って総額17兆円超の総合経済対策で所得税減税を打ち出した。だが、減税の実施時期や規模をめぐっては野党だけでなく、与党内からも批判が噴出し、内閣支持率はかえって低下する始末だ。とくに自民党内の批判は衆院解散・総選挙を睨んだ主導権争いの様相も呈しており、「ポスト岸田」に向けた思惑が渦巻いている。

「内閣支持率30%割れ」の危険領域

「支持率が向上しない最大の原因は、国民が期待するリーダーとしての姿が示せていないことに尽きる。残念ながら現状において、岸田総理の決断と言葉には、いくばくかの弱さを感じざるを得ない」岸田首相の所信表明演説を受けた10月25日の参院本会議の代表質問は、冒頭から異様な緊張に包まれた。自民党の世耕弘成参院幹事長が最初の質問 ………

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