スクープ! 「日朝交渉」秘録 安倍が歪めた「対北外交」

押しても引いても動かなくなった拉致問題。安倍政権の「負の遺産」をそのまま引き継いだ岸田首脳外交の「貧困」。

2023年12月号 POLITICS [負の遺産]

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毎年9月は日朝関係にとって特別の月――。電撃的な小泉首相訪朝から21年目を迎えた今年も、朝日新聞が「拉致問題の深層―当事者たちの証言」を連載、厚みを加えるようにスクープ扱いで「日朝、今春2回の秘密接触」を報じた。また、月刊『文藝春秋』は特集の中で<飯島勲 初公開 北朝鮮首脳と「全7時間」極秘会談>を掲載、メディア報道を盛り上げた。だが、日朝関係の現在は、メディアの熱量に比べてお寒い限りだ。実態はどうなのか――。日朝交渉の原点を踏まえて、安倍政権で歪められた「対北外交」を検証するとともに、併せて「負の遺産」をそのまま引き継いだ岸田首脳外交の「貧困」を考える。

「宿怨の敵」になった田中均

拉致問題の解決や国交正常化を前提に<交渉>の名に値する水面下の協議が大きく進展したのは、小泉政権下であった。が、その淵源は、初代アジア大洋州局長(2001年1月にアジア局を改組)の槇田邦彦にさかの ………

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