突如移転の蛮行「糸山英太郎大学」

キャンパス移転に地元から怨嗟の声。もっとも後ろ足で砂をかけるのは今回が二度目。

2023年12月号 BUSINESS

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「残留にむけた工作すらできなかった」。北海道札幌市の北側にある当別町の職員はそう言って、町内にキャンパスを構える北海道医療大学の突然の移転劇にほぞを噛んだ。

「町は食い物にされた」

9月22日午後、地元紙のデジタル版に北海道医療大学が5年後に町外移転するというスクープ記事が載った。移転先はプロ野球球団、北海道日本ハムファイターズが今年から本拠地ホームグラウンドにした「北海道ボールパークFビレッジ」内と報じられた。当別町は人口が1万5千人ほどの小さな町。北海道医療大学に在籍する約3600人の学生と約800人の教職員が町を去れば、過疎化がさらに加速しかねず、町にとって存亡の危機となる。慌てた町長の後藤正洋は、大学の理事長である鈴木英二に接触したものの、すでに移転への動きを止めることはできなくなっていた。当別町の幹部が「まさに寝耳に水だった」と形容するほど、突然に訪れた北海道の ………

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