「レカネマブ」礼賛は危険 どの命を救うのか

開発成功は歴史的快挙。エーザイに莫大な利益をもたらすだろうが、国民にとってメリットになるかわからない。

2023年11月号 DEEP [効果は限定的]

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9月25日、エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬レカネマブ(商品名レケンビ)が承認された。英『ネイチャー』誌は、今年1月5日号に掲載された記事「2023年に注目すべき科学イベント」で、レカネマブを取り上げており、開発成功は歴史的快挙だ。9月27日、政府は岸田文雄首相を議長とする「認知症と向き合う『幸福社会』実現会議」の初回会合を開き、岸田首相はレカネマブの活用に向けて「必要な検査体制や医療提供体制の整備の検討を進めてほしい」と指示した。メディアも称賛一色だ。読売新聞は9月26日に〈研究40年 認知症薬実る レカネマブ承認 エーザイCEO「大きな一歩」〉という記事を掲載し、内藤晴夫CEOの「道半ばだが、認知症克服に向けた大きな一歩だ」というコメントを紹介している。私は、このような論調に違和感を抱いている。それはレカネマブの開発成功は大きな科 ………

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