野党の追及に虚偽答弁を重ねていた財務省。「吠えない番犬」が突き止めた杜撰な実態。
2023年11月号 POLITICS
新型コロナウイルス禍の拡大に伴い、政府が計上した多額のコロナ予備費をめぐり、杜撰な執行の実態が浮かび上がった。会計検査院が調べたところ、2020年度から21年度にかけて予算化されたコロナ予備費のうち、全体の半分近くが年度内には消化されず、翌年度に繰り越されていた。
何より問題なのは、予備費をめぐる「二重帳簿」が発覚したことである。財務省はこれまで、国会で野党から追及を受けても「コロナ予備費は当初予算と一緒に執行されており、予備費に限った執行状況は把握できない」と説明していた。だが、実際には各省庁は予備費の収支を実務的に把握するため、コロナ予備費に関する記録簿を密かに作成していた。会計検査院の調査でその存在が明らかになり、財務省がこれまで虚偽の答弁を重ねていたことが判明した。そして今回の調査結果には、法改正によって組織の弱体化が図られた会計検 ………
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