日銀総裁が財務省の管轄である為替政策に言及するのは極めて異例。歪な連鎖が続く……。
2023年10月号 BUSINESS
為替の円安が止まらない。東京外国為替市場では8月17日に、政府・日銀が昨年9月に円買い・ドル売り介入に踏み切った145円台後半の「防衛ライン」を突破。政府による口先介入を尻目に、じりじりと下がり続け、9月に入って147円台に突入した。米金融大手ゴールドマン・サックスは、半年後には1ドル=155円まで円安が進むと予測する。急激な円安は、輸入物価の上昇を通じて家計を圧迫し、岸田政権が誇る「30年ぶりとなる高水準の賃上げ」の効果を吹き飛ばしかねない。円安を招いているのは、異次元の金融緩和にこだわる植田日銀と、インフレ退治に手こずる米連邦準備制度理事会(FRB)との金融政策スタンスの違いによる日米金利差の拡大だ。年内解散を諦めていない岸田文雄首相にとって、物価高は頭痛の種。秋以降、金融政策を巡って政権と日銀との間で緊張感が高まる可能性もあり、発足から100日の「ハネ ………
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